ヒルサイドフォーラムで「SDレビュー2013」(〜9/22)を観た。写真の能作文徳+能作淳平《高岡のゲストハウス》は、既存の木造住宅で2階建てだった中央部分を間引いて平屋の3棟に分割するというもの。シンプルかつスマートな解答であると同時に、更地から3棟を新築するような計画ではありえない微妙かつ必然的な配置も面白い。物や空間あるいは記憶といった固有の事物の継承がテーマになりつつも、抽象的な構成を操作する面が強く、建築としての客観性が備わっている(模型だとそれが実際以上に際立って見えているかもしれないが)。瓦屋根や敷石の再利用も嫌らしさを感じさせずに、計画全体の調和のなかでまとめられている。この展示で見るかぎり良い案だと思うけれど、作品タイトルには検討の余地がある気がした。