『建築雑誌』2013年5月号

『建築雑誌』5月号に「プロとアマの間」という短いエッセイを寄稿しました。

基本的に個人出版をめぐる自分の話ですが、『多木浩二と建築』の坂本インタヴューと同じく、下記のサイードの言葉を引用したり、どこか今回の特集と通じるところがある気がします。

マチュアリズムとは、専門家のように利益や褒賞によって動かされるのではなく、愛好精神と抑えがたい興味によって衝き動かされ、より大きな俯瞰図を手に入れたり、境界や障害を乗り越えてさまざまなつながりをつけたり、また、特定の専門分野にしばられずに専門職という制限から自由になって観念や価値を追求することをいう。
───エドワード・W・サイード『知識人とは何か』大橋洋一訳、平凡社ライブラリー、1998(原著1994)、p.127

規定の字数をすこし超えるくらいに書いたつもりでしたが、上がってきたゲラを見ると、プロポーショナル・フォント(字間が狭い)で誌面に若干の余裕があったので、さらに本文を数行削り、『多木浩二と建築』の表紙画像を載せてもらいました。