三宅唱『ケイコ 目を澄ませて』(2022)を109シネマズ川崎で観た。今まで観たなかでいちばん静かなボクシング映画。「物語」や「テーマ」や「ショット」や「構造」が支配的にならずにこれだけの精度で確かな人間を描き出した現代の映画はそれほど多くないの…

知識があればあるほど良い作品が作れるのなら、一人の作家は歳を取れば取るほど良い作品が作れることになる。しかし傑出した作品は往々にして、自分が全体のなかでどこにいるか見通せていない若い時にこそ生まれもする。 もちろん知識を持つことは重要として…

遅ればせながら出版長島の名刺を印刷入稿。デザインは佐藤豊さんにお願いした。出版長島のロゴのデザインをしていただいた服部一成さんの事務所出身で、『建築家・坂本一成の世界』(LIXIL出版、2016年)のときの担当者。服部さんのロゴをどう扱うか、密かに…

写真を撮りながら近所を散歩。以下7点。照らす光。

最近観た映画2本。コゴナダ『コロンバス』(2017)は、過去のモダニズムの建築(サーリネンなど)が単に時を経て整然として美しいというだけでなく、それらの建築の伝統的な土台のなさが登場人物たちそれぞれの立つ場所の不安定さとしても象徴的に働いている…

新刊の売れ行きに気をよくして、ひさしぶりに生活の必要を超えた物品を買ってしまった。アルド・ロッシの建築を写したルイジ・ギッリの写真と、アルド・ロッシがポラロイドで撮影した写真を収めた写真集。『Luigi Ghirri - Aldo Rossi: Things Which Are Onl…

昨日は六本木から湯島に移動して、国立近現代建築資料館「原広司 建築に何が可能か──有孔体と浮遊の思想の55年」も観た(〜3/5)。

六本木の全日本海員組合本部会館(設計=大髙正人、1964年竣工)にて、ドコモモ・ジャパン選定プレート贈呈式と合わせた見学会。大髙正人らしく質実剛健で明快な建築。 建物は1月から工事が始まり、大高建築設計事務所出身の野沢正光さんらによって、当初の…

https://filmart.thebase.in/ フィルムアート社は日頃から自社のオンラインショップで新刊の割引販売をしているのか。再販制(再販売価格維持制度)とは… 出版物の再販制度は、安価な出版物を全国どこでも同一定価で皆さんに購入していただけるようにするシ…

東京オペラシティアートギャラリー「川内倫子:M/E──球体の上 無限の連なり」展を観た(〜12/18)。20年近くまえに新鮮で親密な印象を受けてから、この写真家に対する認識が更新されていなかったのだけど、今回動画の展示もあったせいか、なんとなく河瀨直美…

夏から秋の間、毎日のバラの水やりの時にスマホで写真を撮るようにしていた。特に時間はかけず、その都度いかに新鮮に撮れるかのレッスン。通して見てみるとやはり全体的にパターン化していて、なかなかうまくはいかない。

写真を撮りながら近所を散歩。以下6点。

ジョナス・メカス『リトアニアへの旅の追憶』(1972)をシアター・イメージフォーラムで観た。

一般に書物を〈話し言葉〉(⇄〈書き言葉〉)で書くことは「わかりやすさ」や「親しみやすさ」を意図した行為だとされる。しかしいくつかの条件によっては、「著者/読者」の関係をことさら「教える人/教わる人」「わかっている人/わかっていない人」として…

清家清と篠原一男の対比。リンク先で続けて両者の言葉を複数抜粋。この意味では、ただひたすら素晴らしい音の出るピアノづくりを探求したのが弟子の篠原一男と言えるかもしれない。『精選建築文集1 谷口吉郎・清家清・篠原一男』では、清家と篠原のこうした…

加藤耕一さんのレクチャー「建築の時間性と物質性 Luxury vs Modernism」(千葉工業大学建築学科レクチャーシリーズ2022第3回)をzoomで聴いた。歴史の大きなスパンのなかで対立的な建築観をめぐる見取図が描かれ、学生にも分かりやすい内容だったのではない…

以下、古谷利裕さんの「偽日記@はてなブログ」より。議論について。 議論ができる人は稀だ。理論的な思考ができるというのは最低条件でしかない。相手の意見に対して疑義を示すことが、相手への否定でもなく、攻撃でもないということを、互いに共有していな…

『精選建築文集1 谷口吉郎・清家清・篠原一男』の感想がちらほら届くようになってきた。本の作り方としては、やはり素材を活かすということがいちばんの根本にある。3人のよりよい文章をよりよく読めること。ただしそれは編集の手をなるべく加えないというこ…

出版長島の設立を契機に、より積極的にSNSを活用していきたいと思っているのだけど、インスタグラムは使い方がまだよく分かっていない。とりあえず『精選建築文集1』の情報を載せてはみたものの、あとは #谷口吉郎 #清家清 #篠原一男 のタグが付いている投稿…

予想していたことだけど、Amazonで『精選建築文集1 谷口吉郎・清家清・篠原一男』の在庫が切れた影響で、不当に高値出品している書店の売り値がトップに表示されてしまっている(定価は税込3,960円)。 https://www.amazon.co.jp/dp/4991279607 それを阻止す…

編集中、谷口と清家の言葉にしばしば柳宗悦と近いものを感じたので、『柳宗悦と民藝の哲学──「美の思想家」の軌跡』(2018年7月17日)の大沢啓徳さんに『精選建築文集1 谷口吉郎・清家清・篠原一男』を読んでいただいた。 『建築と日常』No.5では柳宗悦(188…

昨日は『精選建築文集1 谷口吉郎・清家清・篠原一男』の出版の報告として、本のデザインをしていただいた服部一成さんを訪ねた。旗をモチーフにした出版長島のシンボルマークは「『精選建築文集1』で谷口吉郎の「旗の意匠」という文章を収録していることに由…

金沢の〈谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館〉でも今日から『精選建築文集1 谷口吉郎・清家清・篠原一男』が販売開始。金沢出身であり初の名誉市民でもある谷口吉郎の生家跡に建てられたミュージアムで、設計は長男の谷口吉生さん(2019年竣工)。ここを訪れる人…

『精選建築文集1 谷口吉郎・清家清・篠原一男』、11月15日現在の主な販売店リスト(今後まだ増加見込み)。三重の奥山銘木店というお店は聞いたことがなくて、一瞬、谷口吉郎と縁のあったところ?と思ったけど(1977年に「谷口吉郎の和風」という特集が組ま…

国立国会図書館に『精選建築文集1 谷口吉郎・清家清・篠原一男』が所蔵されたらしい。資料収集のため、編集作業中には国会図書館にもずいぶん通っていた。 谷口吉郎・清家清・篠原一男 (出版長島): 2022|書誌詳細|国立国会図書館サーチ コロナの影響で大学…

『精選建築文集1 谷口吉郎・清家清・篠原一男』をかついで大岡山の東京工業大学を訪問。写真は順番に、谷口吉郎による創立70周年記念講堂(1958年)、清家清による管理棟(1967年)、篠原一男による百年記念館(1987年)。特に清家と篠原は住宅作品が多いの…

ネットで無料公開されていた、草野なつか『王国(あるいはその家について)』(2019)を観た。驚くべき実験的映画。そのありようは例によって古谷利裕さんが詳細に記述している。 2020-09-11 - 偽日記@はてなブログ 2020-09-12 - 偽日記@はてなブログ 2020-0…

出版長島の代表自ら出荷作業。朝に始めて気づけば夜。これで現在までにいただいている『精選建築文集1 谷口吉郎・清家清・篠原一男』の注文分はすべて発送しました。